Audacityで音声のフェードイン/フェードアウト加工を行う

Last modified: 2021-08-27

Audacityを用いて音声にフェードイン1またはフェードアウト2の効果をかける作業についてをここにまとめる。

作業の流れ

フェードイン/フェードアウトの効果をかける処理自体はAudacityの標準機能で行うことができるため、作業の流れ自体は単純なものとなる。

本記事はフェードイン/フェードアウト加工を行う際の範囲の選択に関してを重点的に扱う。

音声データを開く

Audacityを起動したら、まずは加工をしたい音声ファイルをメニュー “ファイル - 開く” で開く。

WAVE形式以外でもビルド時の追加ライブラリの使用設定によってはそのまま開ける場合があり、多くのコーデックやコンテナ形式に対応している(“FFmpeg 互換ファイル” としてサポートされているものが結構ある)。もし取り込めない場合はWAVE形式にしてから開く。

範囲を選択

フェードインまたはフェードアウトをしたい範囲を決めて、範囲選択をする。

音量の変化は、効果のかかる範囲(時間)が短ければ急になり、長ければ緩やかになる。

範囲を選択するのに一番簡単なのは波形の表示部分の中をドラッグする方法だが、フェードイン/フェードアウトがかかる時間を “10秒ぴったり” などのように厳密に調整するのは難しい。

これについては厳密に調整する方法を後述する。

処理を実行

  • フェードイン加工をしたい場合はメニューの “エフェクト - フェードイン”
  • フェードアウト加工をしたい場合は同様に “エフェクト - フェードアウト”

を選択すると処理が行われ、処理した範囲の波形が変化する。

フェードインやフェードアウトは(段階的に音量を変化させるだけで)それほど負荷のかかる計算処理ではないため、対象の範囲が10秒ぐらいであれば、処理はすぐに終わる。
長い範囲(時間)を選択するとダイアログが出て少し待たされるが、Audacityにある他の多くのエフェクトよりは短時間という印象がある。

書き出し

加工が終わったら、メニューの “ファイル - 書き出し” で好みのオーディオ形式でファイルに書き出す。

範囲指定のしかたについてとその例

フェードイン/フェードアウトを付ける際は、多くの場合においてオーディオファイルの

  • 先頭の決まった長さに対してフェードイン
  • 末尾の決まった長さに対してフェードアウト

のいずれかの形で適用する形になる。

ただし、マウスのドラッグなどで選択作業を行うと “10秒ぴったり” などのような厳密な範囲を指定するのが難しい。

そこで、数値を用いた範囲指定が役に立つ。

準備1:再生位置制御のツールバー(トランスポートツールバー)

メニュー “表示 - ツールバー - トランスポートツールバー” にチェックが入っていない場合はこの項目を選択する。この状態では

  • 一時停止(||)
  • 再生(▶)
  • 停止(■)
  • 先頭へ(|◀)
  • 末尾へ(▶|)
  • 録音(●)

のボタンを含むツールバーが表示される。

準備2:範囲指定のツールバー(選択ツールバー)

メニュー “表示 - ツールバー - 選択ツールバー” にチェックが入っていない場合はこの項目を選択する。

この状態では “選択開始” と “終了” / “長さ”, そして “再生位置” の3つの時間の表示を含んだツールバーが表示される。

  • hは “時間(hour)”
  • mは “分(mitute)”
  • sは “秒(second)”

をそれぞれ示し、例えば “12h 34m 56.789s” は “12時間 34分 56.789秒” を示す。

“終了” と “長さ” のラジオボタン一覧からの選択項目は選択範囲の終わりを終了位置(時間)と長さのどちらで指定するかを指定するものとなるが、本記事では “終了” が選択されているものとする。

ラジオボタンになっていた部分はその後のバージョンでコンボボックスからの選択に変わっている。

例1:先頭の決まった長さの範囲にフェードインをかける

例として、先頭の10秒にフェードインをかけるものとする。

まずはトランスポートツールバーの先頭へ移動するボタン(|◀)を押して先頭に移動する。

その状態で選択ツールバーの “終了” の下の欄にある “00.000s” とある所の10の位の “0” (“m” の右)をクリックして

audacity-2.0.1-fadeoutselection

画像のように10の位が強調表示されたら “1” と入力する。すると先頭の10秒ぴったりが選択されるので、メニュー “エフェクト - フェードイン” を選択するとこの範囲にフェードインがかかる。

例2:末尾の決まった長さの範囲にフェードアウトをかける

例として、末尾の10秒にフェードアウトをかけるものとする。

まずはトランスポートツールバーの末尾へ移動するボタン(▶|)を押して末尾に移動する。

その状態で選択ツールバーの “選択開始” の下の欄の “分” / “秒” の部分を、上と同じ要領で(位を選択後に数値のキーを入れる形で)右の “終了” の位置から10秒手前の数値に書き換えると末尾の10秒ぴったりが選択されるので、メニュー “エフェクト - フェードアウト” を選択するとこの範囲にフェードアウトがかかる。

末尾の位置によっては開始位置の分の値を1減らす必要が出る(例えば末尾が “00h 04m 06.123s” だと “00h 03m 56.123s” を開始位置にする)。

例3:決まった位置(時間)でフェードアウトしつつ、その後ろをカットする

“決まった時間になったら曲の途中であってもフェードアウトをかけて(その後ろを)切ってしまう” という形で編集をしたい場合がある。

例として、5分を超える長さの曲があって、4分50秒からの10秒間にフェードアウトをかけてその後をカットするものとする。

まずは選択ツールバーで

  • “選択開始” の位置を “00h 04m 50.000s”
  • “終了” の位置を “00h 05m 00.000s”

とそれぞれ入力する。

すると4分50秒-5分0秒の間が選択されるので、メニュー “エフェクト - フェードアウト” を選択すると、この範囲にフェードアウトがかかる。

続いて選択ツールバーで “選択開始” の位置を先ほどの終了位置である “00h 05m 00.000s” とした後で(新しい) “終了” の位置を十分に大きい時間(例えば “55h 55m 55.555s”)にするとフェードアウトの終わった後(5分0秒)から末尾までが選択され、DeleteBackSpaceのキーを押すかメニュー “編集 - オーディオの削除 - 削除” などで削除すると、後ろがカットされてフェードアウトの終わった所が新しい末尾となる。

例4:曲の中の展開によってフェードアウトさせ、その後ろをカットする

歌の1番が終わった所など、曲の中の展開によって決まってくる場所の後ろをフェードアウトにして後ろをカットする形の編集をしたい場合がある。

Audacityのウィンドウ内の波形の部分をクリックするとその場所に応じた時間に選択開始位置が飛ぶので、これを利用して再生と停止を繰り返しながら(Spaceキーが便利)、フェードアウトを開始したい位置を探っていき、最終的なフェードアウト開始時間に選択開始位置を合わせた後で選択ツールバーの “終了” を “選択開始” の時間からみてフェードアウト時間の長さだけ後の時間にする(例えば、10秒のフェードアウトをしたくてフェードアウト開始位置が “00h 02m 20.315s” に決まった場合、終了位置は10秒後の “00h 02m 30.315s”)となる。

あとは例3と同じ要領でフェードアウト加工と末尾のカットを行う。

  • 使用したバージョン
    • Audacity 2.0.1

  1. 音量を0から処理前の大きさまで段階的に大きくする ↩︎

  2. 音量を処理前の大きさから0まで段階的に小さくする ↩︎