Wine上のRPGツクールXP/VX/VX Ace作品の動作

Last modified: 2022-03-11

3つのバージョンとも、Winetricksで以下をインストールしているのが前提となる。

  • fakejapanese_ipamona
  • gmdls
  • dmsynth
  • dmusic
  • dmband
  • dmime
  • dmstyle
  • dsdmo
  • dsound

Wine 5.0.x, 5.xでは2000/2003作品と同様にMP3ファイル再生の不具合があるのだが、MIDI再生の問題と同時に回避することができず、Wine 4.0.x(またはProton 4.11)など過去のバージョンの使用を検討したほうがよいかもしれない。

MIDI再生問題の回避による効果音遅延などの副作用

  • 上に示した通り、MIDI再生の問題の回避にはネイティブ版dsound.dllも必要
  • ただし、ネイティブ版のdsound.dllは効果音の遅延やBGM再生時の変な挙動を引き起こす原因となるため、作品ごとのAudioディレクトリ以下に.midファイルがないものは内蔵版の同DLLで動かしたほうがよい
    • 環境変数WINEDLLOVERRIDESdsound=bを含めて起動する(例:WINEDLLOVERRIDES=dsound=b)

開始時に画面中央にウィンドウが出るのを防ぐ

  1. Wineの仮想デスクトップを用いて、事前にゲームのウィンドウサイズよりやや大きい仮想デスクトップで好みのWindows GUIアプリケーション(winverでも可)を起動
  2. 仮想デスクトップを好みの位置へ移動しておく
  3. 同じ仮想デスクトップで作品を起動

仮想デスクトップサイズの例:

  • 644x5301: XP作品向け
  • 548x4662: VX/VX Ace作品向け(ウィンドウサイズを変更している作品を除く)

仮想ウィンドウ内で作品を起動後にAlt-Enterで全画面にする方法もあり、この場合の仮想デスクトップサイズは自動的に640x480になるが、VX/VX Ace作品のほとんど(ウィンドウサイズ544x416)ではWindows上と同様に黒い余白ができる。

RPGツクールXP作品

かつてはMIDI形式のBGMを鳴らす方法が分からず、できないものと思われていたが、その後鳴らし方が分かり、ここで紹介している作品はMIDIを含めたBGMの再生動作を確認済み。

魔王物語物語 1.11 on Wine 1.6.2

  • 新しくゲームを開始し、最終ボスと隠しボスの撃破(ともに二人パーティで達成)まで安定した動作を確認
    • 宝箱・レシピ全回収,空想4個回収まで
  • IPAモナーフォントのバージョン1.0.8ではネグラの自室にある本棚の一部メニュー項目の最後の文字(“報”, “覧”, “作”)が一部欠け、同フォントのバージョン1.0.5でも “報” だけは欠ける
  • Wine 1.2ではMP3ファイルや効果音の再生に問題があったり描画が重かったりしていたが1.4時点では両方とも改善

黒魔剣士アース英雄譚 on Wine 1.6.1

  • 配布ファイルk_earth_hero.exeはGCA自己展開書庫となっている
  • Game.ini内のLibrary=の行をLibrary=RGSS103J.dllと変更して上書き保存する必要がある
  • 前述の準備が済んでいる状態で開始からエンディングまで安定した動作を確認

青鬼 6.23 on Wine 1.4

  • Wine 1.4時点では起動に失敗する(書庫ファイルの中身を展開すれば動作可)が1.5.19以上ならそのままで動作する
  • 開始からエンディングまで安定した動作を確認
  • 怖い
  • MIDIファイルがないため、内蔵版dsound.dll使用推奨

スカイハイ・クロノス・エンドレス (SCE) on Wine 7.0-rc1

  • 6つのエンディングに到達
  • MIDIファイルがないため、内蔵版dsound.dll使用推奨
    • ネイティブ版のdsound.dllを使用していると起動時に “プツッ” というノイズが鳴る

SCE_2 1.19 on Wine 7.0

  • 5つのエンディング3に到達
  • MIDIファイルがないため、内蔵版dsound.dll使用推奨

セーブデータの一覧画面で周回数の値の表示がおかしいが、これはWindows上でプレイしている動画を見てもそうなっており、恐らくは作品の世界観に沿った演出であり、意図的なものであると考えられる。
少なくともWine固有の不具合ではない。

RPGツクールVX作品

Wine 1.4以上で効果音やデフォルト戦闘の戦闘後ファンファーレの鳴り方が安定するようになった。動作は重めで高いCPU性能が必要。

MIDI形式のBGMについてはXP作品と同様。

2019年春時点では、Wine(4.0.x)よりProton(3.16beta)のほうがCPU使用率が低くなって快適に動作する。これはCLOCK_MONOTONIC_RAWを指定した経過時間取得処理が低速で、Protonでは代わりにこれより高速なCLOCK_MONOTONICが使われるように強引にコードを変更しているため。

アルガスの剣 on Wine 0.9.58

  • 開始からエンディングまで確認
  • 街とダンジョン内はやや重い
  • 環境によって魔法 “スパークII” のエフェクト中に落ちる場合あり

GraduateVX on Wine 0.9.58

  • 開始からエンディングまで確認
  • アカデミー(学校)のマップは非常に重く、CPU性能が必要

鋼鉄の歌姫 1.03 on Wine 1.1.xx

  • 最初のボス撃破まで確認
  • 戦闘は自作で動作はやや重め
  • テストしたWineのバージョンは不明だが、セーブデータの最終更新が2010年4月中旬のため、1.1系の末期と思われる

Fragile Knight on Wine 1.3.15

  • 途中まで動作確認(ゲーム内のプレイ時間は1時間20分程度)
  • 戦闘シーンへの切り替わり時に落ちる場合あり

新約・帽子世界 Ver237 on Wine 7.0 / Proton 7.0

  • Ver237でプレイ開始して “完全クリア!” の画面まで到達
  • 都合により、ヨウコ編チャプター37の途中までをWine 7.0で、その後をProton 7.0のWine部分でプレイしたが、Protonへの切り替え後に動作の変化は特に実感しなかった
  • 画像データのプレキャッシュ機能は使用していない
  • 付属のテキストファイルに “高速なストレージ(SSDやRAMディスク等)にゲームデータを置いてプレイすると強制終了が多発することがあります。” との記載があるが、常にtmpfsの領域にゲームの中身を置いて通しプレイした中では以下の3件(いずれもRuby部分の例外)を除いて強制終了は発生していない
    • ジャニス編終盤で、パーティの編成を行うかどうかを選択する場所を回る際、編成をしない選択をし続けると、最後の場所での選択の少し後のイベントでエラーダイアログ表示 “スクリプト 'Game_Party' の 1633 行目で NoMethodError が発生しました。undefined method `size' for nil:NilClass”
    • 4番目の “窮極決戦” でボスを “リンゴドライブ” 中の攻撃(弓のアーツ)で撃破後、シームレスに始まる会話イベント中にゲーム映像が固まってエラーダイアログ表示: “スクリプト実行中に NoMethodError が発生しました。undefined method `force_action=' for nil:NilClass”
    • 最後の “窮極決戦” 第2形態でオート戦闘中、ボスが “愛” 由来の有利状態付与をした際に効果表示が繰り返された後?に映像が固まってエラーダイアログ表示: “スクリプト 'Game_Switches' の 20 行目で SystemStackError が発生しました。stack level too deep”
  • マップ “時の狭間” のBGMのループ位置がずれている印象がある
    • vorbis-toolsvorbiscommentコマンドでvorbiscomment -w -t LOOPSTART=6057984 -t LOOPLENGTH=3024136 /path/to/Newlittleworld*/Audio/BGM/xerosis.oggのようにしてループ情報を調整したら改善
    • 元はLOOPSTART=6057984LOOPLENGTH=3035136
  • 同様に同マップボス戦BGMのループ位置も少しずれている印象
    • vorbiscomment -w -t LOOPSTART=684544 -t LOOPLENGTH=4061112 /path/to/Newlittleworld*/Audio/BGM/action001.ogg (元はLOOPSTART=684544LOOPLENGTH=4058112)
  • 前述の全ての不具合は、個人的な印象ではWineに固有のものではなさそう
  • MIDIファイルがないため、内蔵版dsound.dll使用推奨

RPGツクールVX Ace作品

基本機能のみの作品はVX作品と比べて快適な反面、tktk_bitmap.dllを用いた作品では非常に重い場面に出くわすことがある。
BGMは基本的にOgg Vorbisのため問題はない

DESTINY~FIRST FANTASY~ on Wine 1.2.3

  • 開始からエンディングまで確認
  • フォントのレイアウトに問題があったがWine 1.5.28以上で改善された

アクイ ト アイ 1.20 on Wine 1.6.1

  • 配布ファイルakui_to_ai.zipを展開し、中のアクイ ト アイ ver12.exeをWineで実行して展開先を指定する
  • 開始からエンディングまで確認
  • ゲーム内の経過時間はエンディングを含めて4時間半余りだったが、戦闘中に突然落ちる現象を2回確認
    • セーブは移動時は常に可能なので頻繁に行うとよい
  • 誤字は仕様

地球の形見 1.31 on Wine 3.0

  • 途中まで確認
  • 赤いドラゴンと戦うシーンは非常に重い
    • Skylake世代のPentium程度のシングルスレッド性能がないと厳しいかもしれない

カペラの約束 1.09 on Wine 3.0

  • 開始からエンディングまで安定した動作を確認(その先は未確認)
  • 明かりの仕掛けがある暗いダンジョンは非常に重い傾向にある
    • Skylake世代のPentium程度の性能があれば何とかなる
  • 暗いダンジョンを除くマップの移動や戦闘はそれほど重くはない
  • MIDIファイルがないため、内蔵版dsound.dll使用推奨
    • ネイティブ版だと一部BGMの再生に問題がある

  1. ゲーム画面640x480 ↩︎

  2. ゲーム画面544x416 ↩︎

  3. 全エンディング制覇したかどうかは不明・ミニゲーム群のルートから2つとそうでないルートから3つで、後者3つの内2つは条件が自力では分からず、Webから集めた情報をもとに到達 ↩︎