メーカーのサイトではWindows用の体験版が配布されており、後述するように、WineやProtonでは特に設定を行わなくても動作するため、興味があるのであればダウンロードして試してみるとよい。
map.truckersmp.com
のようなサイトでプレーヤの位置や交通量、ログイン人数などを確認することもできるセーブデータはTruckersMP専用のものを分けて管理すると便利。
TruckersMPでプレイするためには、TruckersMPのWebサイトにてアカウント登録が別途必要。
TruckersMPではルールが定められており、違反をゲーム内やWebサイトから通報されるなどするとアカウントに処分(ban)が下されることがある。ルールは不定期に更新され、初回ログイン時やルール更新後のログイン時にはこれを読んだことの確認を求められる。
Yキーでの発言では /
で始まる独自コマンドを入力することで行える操作がある。
/fix
と発言するとトレーラーのある状態でヘッド部分のダメージを全回復できる(エンジン故障時に便利)が、一定時間ごとに1回だけしか使えない/pinfo [数字]
ではコマンド実行時にその数字が割り当てられているプレーヤの情報が取得できる3/h
と発言すると利用可能コマンドの一覧が表示される時間経過の処理の関係か、受注可能な仕事が完全になくなることがしばしば起こるが、整備場への牽引やガレージへのクイックトラベル、駐車場での休憩といった行動で解消される。
truckersmp-cliを用いることで、Linux上でProtonやWineを用いてTruckersMPクライアントを動かす(マルチプレイヤーでプレイする)ことが可能になる。
Linux版Steamクライアント4と本ツールのみを用意すればゲームやMODのダウンロードや実行をツール側で行って簡単に起動することができる。
Linux版Discordを使用している場合、TruckersMPでプレイしているときにDiscordのRich Presence機能で各種情報を外部ツールwine-discord-ipc-bridge経由で他のDiscordユーザに向けて表示できる
このツールを用いるとTruckersMPクライアントのダウンロードは自動で行われ、TruckersMPの公式サイトから手動でファイルをダウンロードする必要はない。
(一部の機能が依存する外部パッケージを一緒にインストール)
$ python3 -m pip install truckersmp-cli[optional]
(最小限のインストール)
$ python3 -m pip install truckersmp-cli
(最新バージョンにアップグレード)
$ python3 -m pip install truckersmp-cli --upgrade
リリース一覧からダウンロードして展開する方法もある。
truckersmp-cli.exe
を自分でコンパイルしたい場合はmingw-w64(のWin64アプリケーション開発用パッケージ)をインストールした上で既存の.exeファイルを消してからmake
を実行するなどしてコンパイルする。
$ truckersmp-cli [ACTION] [GAME] [OPTION...]
アクション:
update
: 最新バージョンに更新downgrade
: 要ダウングレード時、サポートされるゲームバージョンのブランチ(自動取得される)にダウングレードstart
: ゲームを開始updateandstart
(ustart
): update
後にstart
downgradeandstart
(dstart
): downgrade
後にstart
ゲーム:
ets2mp
: ETS2MPatsmp
: ATSMPets2
: ETS2(通常起動)ats
: ATS(通常起動)下は起動用のスクリプトの実行例。Steamアカウント名部分は自分のものに置き換えて実行する。シェルスクリプトを書いたりデスクトップ上にランチャを作ったりすると起動がしやすくなる。
(ETS2とProtonを更新する)
$ truckersmp-cli update ets2 --proton --account your_steam_account -v
(最新バージョン系統が未サポートでダウングレードが必要なときにETS2をダウングレード)
$ truckersmp-cli downgrade ets2 --proton --account your_steam_account -v
(ATSとProtonを更新する)
$ truckersmp-cli update ats --proton --account your_steam_account -v
(最新バージョン系統が未サポートでダウングレードが必要なときにATSをダウングレード)
$ truckersmp-cli downgrade ats --proton --account your_steam_account -v
(ETS2MPをProtonで実行する)
$ truckersmp-cli start ets2mp --proton --account your_steam_account -v
(上の指定に加えてインストール済みのProtonの場所を指定してそれを使用する)
$ truckersmp-cli start ets2mp --protondir ~/.local/share/Steam/steamapps/common/"Proton 6.3" --proton --account your_steam_account -v
LinuxではProtonを用いるのが既定となっており、--proton
オプションは省略できる。
pipでtruckersmp-cli[optional]
を指定してインストールした場合、--account
(-n
)オプションを省略するとストレージ内のSteamのログイン記録(loginusers.vdf
)からユーザ名を取得してこれを使用することができる。
--verbose
(-v
)オプションを2回以上指定するとより詳細なデバッグ用出力が有効になり、一度も指定しないとメインスクリプトからの出力が抑制される。
既にSteamにインストール済みのProtonの場所を指定する場合、Steamの個人用のデータインストールディレクトリの中のディレクトリを指定することになるが、Steamクライアント自体のパッケージをディストリのパッケージとしてインストールするかSteamの公式Webサイトからダウンロードしてインストールするか、および前者の場合はどのバージョンを使用しているかによっても場所が異なるため、使用している環境においてどこにProtonがインストールされているかを把握した上で場所を指定する必要がある。具体的には、Debian/Ubuntu系のディストリにおいてディストリのパッケージとしてSteamをインストールした場合に[ホームディレクトリ]/.steam/debian-installation/
または[ホームディレクトリ]/.steam/
以下に配置されることを考慮する必要がある(例:--protondir ~/.steam/steamapps/common/"Proton 6.3"
)。
他の場所からセーブデータを持ってくる場合や季節(天候)MODを導入する場合など、仮想Cドライブ内にアクセスしたいときには、以下の場所を参照する。
${XDG_DATA_HOME}/truckersmp-cli/Euro Truck Simulator 2/prefix/pfx/drive_c/
${XDG_DATA_HOME}/truckersmp-cli/American Truck Simulator/prefix/pfx/drive_c/
環境変数XDG_DATA_HOME
が未定義の場合はここに[ホームディレクトリ]/.local/share/
が入る。
Windows版のETS2/ATS(マルチ含む)では実行時にDirect3D 11が無効化されていれば自動的にOpenGLが用いられる。2021年夏時点では、truckersmp-cli使用時には既定の描画バックエンドはOpenGLとなっており、--enable-d3d11
オプション指定時にDirect3D 11が使用できるようになっている。
truckersmp-cliでstart ets2
やstart ats
で実行するとマルチではない通常の一人プレイで開始できるようになっており、DXVKでネイティブ版より高いパフォーマンスを出すために使うこともできる。
描画がOpenGLになると、TruckersMPのログイン画面にもOpenGLのロゴが表示されるが、2018年のある時期に “OpenGL使用時にのみ正常動作しない” という不具合を経験しており、この変更で動作しなくなった場合は元に戻してみるとよい。ほとんどの人はWindows上でDirect3Dで遊んでいると思われるため、このような問題は見つかりにくいのかもしれない。
Direct3D 11バックエンドを使用する場合、シングルプレーヤでは問題はないのだが、マルチの場合d3dcompiler_47.dll
のWineの実装が不完全なことによりログイン画面などが描画されず、使い物にならない。
回避策としては、ネイティブ版(64-bit)のd3dcompiler_47.dll
のインストールおよび有効化を行う。バージョン0.6.2時点では実行時に--activate-native-d3dcompiler-47
オプションを付けることでこの処理が自動で行われる。