GNOMEデスクトップ環境のバージョン2系では、使い勝手に関係する
などの部分において、2010年頃まで親しまれてきた伝統的な形1が用いられていたが、2011年春にバージョンが3系になってからは “GNOME Shell” という全く新しいデスクトップシェルが導入され、GNOMEのセッションにログインした際の使い方が大きく変化したのと同時にGPUのアクセラレーションが実質必須になった。2
また、GNOME 2のような古い、長く慣れ親しんだ形の環境を使い続けたいという人が多数いるということも大きく、自由なソフトウェアとして公開されてきたGNOME 2は、本家のGNOMEとは別のプロジェクトとして “MATE3 Desktop Environment” と名前を変えて、GitHub上で開発を継続することになった。
バージョン番号はGNOME 2とは異なり、独自のバージョンの付き方となる。
公式サイトによると、“MATE” の名前は “イェルバ・マテ” という木の名前から、とされている。ここからマテ茶というお茶の原料が得られる。
既にほとんどのLinuxディストリビューションで利用可能になっている。
Debian/Ubuntuではパッケージ名mate-desktop-environment
で最低限のパッケージがインストールされ、mate-desktop-environment-extras
を入れると更に幾つかのパッケージが追加インストールされる。
Raspberry Piのディストリにおいても、公式OSの標準ではないものの、選択可能なGUI環境の一つとして選べるようになってきている。Ubuntu MATEのRaspberry Pi版は、Raspberry Pi 4であればそれなりに快適に動作するという報告がWeb上にある。
Ubuntu MATEなどのMATE搭載のディストリビューションでは、特に追加でパッケージを入れたりする必要はない。
といった部分は約束されており、今後変わる予定はない。この従来型の形をそのままに
基本的にはGNOME 2の各アプリケーションの名前が変更された派生ソフトウェアで構成される。
MATE用にソフトウェアを別名で派生させることで、MATE用の派生版とバージョン3系以上のGNOME用のオリジナル版の両方を競合なく正しく動作するようにできる。
電卓のgalculator、ダイアログを扱うコマンド群Zenityといった独立したプログラムは当初はMATE版が提供されていたが、派生バージョンを開発・公開する理由がなくなって廃止となった。
他にも、MATE上でGNOME版のEvinceなどのオリジナルのソフトウェアを別途インストールの上で動かすことはできる。また、将来、別のMATE版のソフトウェアが同様に廃止されていく可能性もある。